ヤマタノオロチ(やまたのおろち)って聞いたことありますよね。
八つの頭を持つ大蛇のこと。
ある神様がそれを退治するという古事記の神話に出てきます。
古事記に出てくる神話には、様々な意味が裏に秘められていることが多い。
一説には、ヤマタノオロチは島根県を流れる斐伊川の洪水を暗示。
あるいは高度な製鉄技術を有する集団を指すと言われています。
ところで、ヤマタノオロチが退治されたとき、その体内から立派な剣が見つかりました。
それが後に三種の神器のひとつになる、あの有名な草薙の剣。
このようにヤマタノオロチの神話には、いくつも興味深い話があります。
この記事ではヤマタノオロチ退治の神話に焦点を当て、その詳細と「なるほど」となるような話を4つの動画を交えてお伝えします。
なお、神様の名前などの表記の仕方にはいろいろあり、ここで紹介する動画ごとも多少異なります。
記事中の文章では基本的に縮めた表記を採ることにしていますのでご了承下さい。
ヤマタノオロチ退治神話の詳細を紹介
ヤマタノオロチ退治に至る経緯
まずはこちらでヤマタノオロチ退治に至る経緯を確認しましょう。
俳優の小手伸也さんがナレーションを務める漫画動画です。
2分半ほどと非常に短くまとめられており、テンポよく観ることができます。
とても面白いです。
ヤマタノオロチ退治の詳細
次は退治の様子を詳しく解説している動画を観ていきましょう。
先にストーリーを示すと次のようなものです。
天界を追放されたスサノオが地上の出雲に降り立つと、老夫婦と一人の綺麗な姫が泣いていた。
泣くわけを尋ねると、かつて老夫婦には娘が八人いた。しかし、怪物に次々に食われ、とうとう今年は最後の娘が食われる番になってしまったという。
怪物退治の代わりに娘をもらい受けたいとスサノオが提案すると、老夫婦はその提案を受けた。
怪物退治のためにスサノオが立てた作戦は、次のようなもの。
まず姫の姿を櫛に変えて身を隠し、次に強い酒を造って八つの酒樽に満たして置いておく。
やがてやって来たヤマタノオロチは、八つの頭それぞれが樽に頭を入れて酒を飲み、酔っ払って眠ってしまった。
そこでスサノオは眠ったヤマタノオロチの体を自らの剣で切り裂き退治した。
切り裂いたオロチの体から立派な剣が見つかり、スサノオは天界のアマテラスにそれを献上した。
これが後の三種の神器のひとつになる草薙の剣である。
ところで、娘が見当たらず酒樽だけが八つも準備されている状況を前にして、ヤマタノオロチはどのひとつの頭も現状に疑いを持たなかったのでしょうか?
せっかく八つも頭を持っていながら、全てが同じことを考えるのでは宝の持ち腐れですね。
読者の周りにも似た状況は起こっていませんか?
例えば、一つの組織に複数の幹部が居るけど、結局考えている事は皆同じ。
・・・スサノオがやって来なければいいですね。
解説動画はこちらです。丁寧な口調なのでわかりやすいですが、せっかちな方は再生速度を少し速めることをお勧めします。時間は12分ほどです。
ヤマタノオロチ神話で登場する神々たちと退治の意味
以下は、ヤマタノオロチ神話に登場する神々。
スサノオ | 勇ましい神 | 出雲に降り立つまではトラブルメーカー、 ヤマタノオロチ退治で一躍ヒーロー |
クシナダヒメ | 豊穣の女神 | 怪物から救われスサノオの妻になる |
ヤマタノオロチ | 出雲の土地神 | 本来は山神または水神 |
アシナヅチ | クシナダヒメの父 | |
テナヅチ | クシナダヒメの母 |
ヤマタノオロチ退治には次のような意味があると考えられています。
ヤマタノオロチは出雲の土地神である。
高天原から降りてきた神であるスサノオがヤマタノオロチを倒したことから、出雲が高天原に服従することの伏線であるというもの。
また、大自然の象徴であるヤマタノオロチを文明の象徴である剣を持ったスサノオが退治することから、文明が自然を克服する物語の意味もある。
さらに、トラブルメーカーであったスサノオが英雄へと成長する物語でもある。
以上のことを豆知識付きで解説したものが以下の動画。長さは9分ほど。
前半はヤマタノオロチ神話全般について。5分経過ごろから、退治の意味や登場する神々を詳しく解説してます。
ヤマタノオロチ退治に隠された意味 その他諸説
実は、ヤマタノオロチ退治に秘められた意味には上記以外にも諸説あります。
例えば、ヤマタノオロチは現在の島根県を流れる斐伊川の洪水を指している説。
高度な製鉄技術を有する集団を指すという説。
これらについては次の11分ほどの動画で詳しく解説されています。
まとめ
- 出雲に降り立ったスサノオが、老夫婦と姫のためにヤマタノオロチを退治。
- オロチ退治に成功したスサノオは姫を妻に迎え、英雄となった。
- 一説にこの逸話は、出雲が高天原に服従することの伏線であると考えられている。
仮に、上記のような意味のいずれかが込められているとして、なぜそのような意味を含ませる必要があったのだろうかと私は不思議に思ったのですが、みなさんはいかがでしょうか?
ところで、古事記にはヤマタノオロチ神話以外に面白い逸話が多く含まれています。
本ブログでも別記事でいくつか解説していますので、興味があれば是非読んでみて下さい。
また、自分で古事記の解説書を読んでみたい方には以下の本がお勧めです。
大学の先生の監修でありながら平易な言葉で解説されています。
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漫画の方が良いという人には、こちらを勧めます。
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