古事記の冒頭は混沌としたなかから天界の神様が生まれ、そして日本の国土が作られるところから始まります。
あまり印象的な逸話がないから記憶に残りにくいですよね。
でも、“へぇ~、そうなんだ”という話があれば、ひとつくらいは覚えておきたいですね。
イザナミが島々を生んで日本の国土ができるという話は有名だと思いますが、生まれる島が西日本にあるものばかりということはあまり知られていません。
“へぇ~、そうなんだ”と思った人、このことは是非覚えておきましょう。
でも、なぜ西日本ばかりなのでしょう?
そのあたりのことは以下の記事で解説動画を交えて答えていきます。
古事記:国生みの話について学べる動画を紹介
まずは、国土が作られる以前、混沌としたなかから天界の神様が生まれるところを解説した動画を紹介します。
国生み①-天地初発
最初に動画の概要です。
まず最初の神様アメノミナカヌシが生まれ、続いてタカミムスヒとカムムスヒが生まれるが、すぐに身を隠す。
このとき地上は泥が海面に浮いている状態であり、その泥からウマシアシカビヒコチとアメノトコタチが出現するが、すぐに身を隠す。
以上の五柱を別天津(ことあまつ)神と呼ぶ。すべて男神でも女神でもない独り神。
そのあと、神世七代(かみよななよ)と呼ばれる神々が生まれる。
二代の独り神が続いたのち、三代目からは男女ペアの兄弟神が出現する。
最後の七代目に生まれたのがイザナギとイザナミ。
そして神々はイザナギとイザナミに国生みを命じる。
兄弟はアメノヌボコなる鉾を渡され、これを使って天の浮橋から海の中をかき混ぜたところ、オノゴロ島ができた。
以上がおおよその内容になります。
カタカナの神様の名前ばかりが出てきましたが、動画を観るともう少しわかりやすいかと思います。6分弱と短くまとめられたものです。どうぞ。
国生み②-日本列島の誕生
次はイザナギとイザナミの兄弟によって日本の国土が作られた話を解説したものになります。同様にまずは動画の概要を示します。
イザナギとイザナミはオノゴロ島に降り立ち夫婦となって国生みを行うが、五体満足ではないヒルコや神でも人でもない不完全なアワ島が生まれるなど失敗続きであった。
そこで高天原の別天津神たちに相談して原因を教えてもらい再挑戦したところ、ようやく島々を生むことができた。
このとき生まれた島は、最初に淡路島、次に四国、隠岐の島、九州、壱岐の島、佐渡島、本州と続き、日本の原形ができあがることとなった。
さらには、①吉備児(キビノコ)島(岡山県 児島半島)、②小豆(アヅキ)島(香川県 小豆島)、③大(オオ)島(山口県 周防大島)、④女(ヒメ)島(大分県 姫島)、⑤知詞(チカノ)島(長崎県 五島列島)、⑥両児(フタゴノ)島(長崎県 男女群島)ができた。
これら6つの小島は、いずれも瀬戸内海から長崎に至る航路に関係するもので重要視されていた。
また、西日本の島ばかりが登場するのは、古代において東日本はまだ異国の地と扱われていたためだと思われる。
それでは動画の方をどうぞ。こちらは7分になります。
国生み③-八百万の神々の誕生
最後に多くの神々が生まれる話です。ここで生まれた神のなかには、あとから大事な話で再登場する神様もいます。
島を生んだ後、イザナミは神々を生む。オオコトオシオを始め、イワツチビコ、イワスヒメ、オオトヒワケ、アメノフキオ、オオヤビコ カギモツワケノオシオと家宅六神(かたくろくしん)と呼ばれる住居にまつわる神々を生んだ。
さらに、自然にまつわる神々であるオオワタツミ、ハヤアキツヒコ、ハヤアキツヒメ(以上、港を意味する三戸神(みなとのかみ)、シナツヒコ、ククノチ、オオヤマツミ、カヤノヒメを生む。
加えて、生産にまつわる神々であるトリノイワクスフネ、オオゲツヒメと、ヒノカグツチ(火の神)を生むが、ヒノカグチを生んだ際に体調を悪くしてしまう。
床に伏したイザナミの嘔吐物からカナヤマビコ、カナヤマビメ、排泄物からハニヤスビコ、ハニヤスビメ、ミツハノメ、ワクムスヒが生まれた。
しかし、イザナミの体調は戻らず黄泉の国へ旅立ってしまい、それを悲しむイザナギの涙からはナキサワノメガミが生まれる。
イザナギは悲しみのあまり、イザナミが死に至る原因となったヒノカグチの首を切ってしまう。
そのヒノカグチの死体からは、マサカヤマツミ、オドヤマツミ、オクヤマツミ、クラヤマツミ、シギヤマツミ、ハヤマツミ、ハラヤマツミ、トヤマツミの八柱の山の神が生まれた。
さらに、ヒノカグチの首を切った際に剣についた血からはタケミカヅチが生まれる。このタケミカヅチは、後のオオクニヌシの国譲りの物語で登場することとなる。
以上の内容を含んだ動画が次のものです。こちらは8分弱となります。
まとめ
- イザナギとイザナミの兄弟によって大八島と呼ばれる八つの大きな島を始め多くの島々が生み出され、日本の国土ができる。
- また、イザナミは多くの神々をも生むが、火の神を生んだときの怪我が原因で死んでしまう。
- イザナミの死を悲しんだイザナギは、死の原因となった火の神を殺してしまう。
神様も神様を殺してしまうのか!というのが初めて読んだ時の衝撃でしたが、皆さんはいかがですか?
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