古事記と日本書紀、どちらも天地創造から日本の国ができるまでを記したものであることは知っていますよね。
でも、今ひとつわからないのが両者にどんな違いがあるのかだと思います。
この違いを押さえておかないと、いずれについても「知っている」と自信を持てませんよね。
そこで、この記事ではさくっとわかりやすく違いをまとめました。
さらに、「その程度のことなら知ってるよ」と詳しい人にために、より深くこの両者を見比べたときに浮き上がってくる違いについても解説してます。
古事記と日本書紀の違いについて解説します
この記事では、古事記と日本書紀の違いについて解説された2つの動画を初回します。
一つ目はとてもわかりすい内容の動画です。
初心者の方は、まずこちらを視聴されることをお勧めします。
二つ目の動画はやや踏み込んだ内容。
詳しい専門家の視点で知りたい人にお勧めです。
古事記と日本書紀の比較、主な違いについて解説した動画を紹介
わかりやすく違いを解説した動画を紹介します。
まずは動画内で紹介された両者の比較を表にしました。
古事記 | 日本書紀 | |
成立年 | 712年(元明天皇の時代) | 720年(元正天皇の時代) |
収録年代 | 第33代推古天皇まで | 第41代持統天皇まで |
巻数 | 3巻(上・中・下) | 30巻 |
発起人 | 天武天皇 | 天武天皇 |
編纂者 | 太安万侶、稗田阿礼 | 川島皇子、忍壁皇子ら |
編纂期間 | 4ヵ月 | 約39年 |
記述法 | 物語調 | 編年体 |
表記法 | 大和言葉を基にした漢文 | 漢文体 |
表に挙げた違い以外では、収録された話のうち神話的要素の占める割合について、古事記は約33%であるのに対し日本書紀は約6%と少ない。
また、古事記にはあるが日本書紀にない物語があります。
イザナミに会うため黄泉の国へイザナギが向かう話や、出雲でのオオクニヌシの国造りの話がそれに当たる。
その代わり、日本書紀では歴代天皇の業績が詳しく記述されている。
また、日本書紀には中国思想の陰陽二元論の影響が見られるといった特徴の違いがある。
さらに編纂の目的に違いがあり、古事記は国内向けに天皇の神格化と正統性の誇示するため。
一方の日本書紀は日本の成立と歴史の正当性を示すためであるとされている。
詳しくは、動画を観て復習しましょう。8分ほどの内容になります。
古事記と日本書紀、深く読んだときに浮き彫りになる違い
古事記と日本書紀、この両者をもう少し深く読んだときに浮き彫りになる違いがあるとある専門家は言う。
日本書紀は、よろこびあふれる楽しい国を築こうというスタンスが根底に流れている。
一方、古事記では、神々の意向に沿っていなければ、せっかくの努力も無駄となり何もかもがなくなるという考えが秘められている。
また、国を統治するという意味で、古事記では「知らす」と記述される。
一方、日本書紀では「治らす」とされており、この記述の違いにも根柢に秘められた考えがあるとのこと。
詳しい解説は、次の15分ほどの動画を観てみましょう。
まとめ
- 近い時期に編纂されたものでありながら、主に編纂目的の違いや記述の仕方が異なる。
- 古事記には収録されてるが日本書紀には記載のない話があるなど、両者を読み比べ自分なりにその違いを体感する価値は十分にある。
専門家ですら読むたびに解釈が深まると述べるほど、両者に書物としての奥深さを感じる。
古事記についてもっと詳しく知りたい人は、書籍を読んでみることをお奨めします。
その際、通勤時間を有効活用したいという人には、本の内容を聞くことができるオーディオブックがいいですね。
例えば下記の書籍にはオーディオブック版が用意されています。
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